2025年8月14日木曜日

たから17期目突入!

 皆様こんにちは。

当社は、5月末決算でして、2025年6月から第17期目を迎えました。

思えば、もうそんなに月日が経ったのかとしみじみ思います。

介護経営の中で、今まで多くのご利用者様にサービスを提供できて、また、信頼できる従業員さんと共に長く仕事ができたことは、何よりの財産です。決して順風満帆とはいきませんでしたが、何とか今に至っています。こんな経営者ならではの苦労を語り合いたいものです。

まずは20年続けたいですね。ベンチャー企業の生存率は10年で6.3%、20年でわずか0.3%とのデータがあります。とりあえず、6.3%には入れてはいますが、この先0.3%の難関をいかにして乗り越えていくか。

私は、ビジョン→中期計画(3年間の目標)→短期の計画、戦略と落とし込んでいき、それをPDCAとして回していく、そのことに尽きると確信しております。「何もしない、現状通り行っていく」という選択肢も大事です。ただ、私としては日々進歩していきたいと思っております。

さて今期は、どうしていくか・・・

介護サービスを主軸として、従業員・ご利用者様に喜ばれる仕組みを更に拡充していきたいと考えています。そのうちの一つが先に「ひとりごと」で載せた『たから焼き菓子工房』ですね。また、3年前から始めている、ミニ遠足もだいぶ浸透してきており、今後の展開が楽しみです。

その中で、大きなテーマとしては、当社が従業員さんの自己実現を行う場として、活躍の場を提供したい、そして多様な働き方を作っていきたいと思っております。柔軟かつ、芯の通った経営。私が目指す中小企業経営はまさにこれです。

少々暑苦しい「ひとりごと」になってしまいましたが、今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

2025年8月6日水曜日

お菓子作りのある日

 はい、皆様こんにちは。

本日は、中小企業診断士仲間の方が来社され、互いに情報交換をしました。

事業所をご見学いただき、実際にお菓子も食べていただきました。

その方は、ご自身でも介護事業所を経営されていて、本当にクレバーで毎回新たな目標の下に、違う状況を作り上げていらっしゃいます。ましてや、一次産業(農業、漁業)にも参画され、一日24hでは足りないのではないかと感じてしまいます。

私にない能力を多数お持ちで、本当に勉強になります。

「たから焼き菓子工房」開設のお祝い花をいただきました。誠にありがとうございました。


お菓子作りは、順調です。
皆様にも喜んで食べていただいています。何より、作っている従業員が楽しそう。

フィナンシェを作っている様子です。↑

作って喜び、食べて喜び、喜びにあふれているたから焼き菓子工房です。
現場からは以上です。

2025年7月25日金曜日

たから焼き菓子工房

 皆様こんにちは。

前回の投稿で「自己実現」ということで載せました。

この度、当社の社員さんの一人が、自己実現に近づく事業を始めました。
その名も「たから焼き菓子工房」。これが当社今期最大の挑戦です。




高齢者向けにシフォンケーキやフィナンシェ等を販売します。

実は7月10日に営業許可をいただき、7月14日からオープンしたのですが、大変好評で現在リピーターが続出してます。私が言うのもなんですが、美味しいです。

ただ、作れる時間帯も限られており、現状は注文をいただき、出せる分を販売している形です。

この先、どうなるか、大変楽しみですね。


2025年7月18日金曜日

自己実現の場へ

 どうも。お久しぶりです。

ちょっと忙しくてさぼってしまいました。

さて、今回は、私が目指す会社像です。

皆様は、マズローの欲求段階説というのをご存じでしょうか?
中小企業診断士であれば、かならず一次試験で勉強しますね。
かなりポピュラーなもので、人が生きる上で「自己実現に向かって成長する」という仮定の元、欲求が階層的になっているという理論です。


はい、これです。

一番下から「生理的欲求」。食欲や、トイレに行きたいという欲求がこれですよね。絶対になくてはならない欲求です。

次に「安全の欲求」。安全に生活したい、以前、3.11の際、この安全の欲求が満たされず、ストレスを感じた方も多いのではないでしょうか。

3番目が「所属と愛の欲求」。読んで字のごとく、集団に所属し、愛されたいという欲求です。

4番目が「承認の欲求」。自分が行うことに承認してほしい、尊敬してほしいという欲求です。

最後に「自己実現の欲求」となります。これは理想の自分になりたいという欲求です。

私がこの理論を知って、まず思ったことは、会社に所属していることで、従業員さんがどの欲求を満たせるのか?といったことです。会社として、第2段階「安全欲求」まで満たすことは必須ですよね。また、「所属と愛の欲求」も社会的な欲求ですので、必須です。

私は、居心地の良い職場とは、この第4段階「承認欲求」を満たされていることが必要であると考えます。自身の人柄や性格などの承認、仕事以外の行動に対する承認、自身が普段行っている仕事に対して等、承認するものは様々です。また、特に仕事を承認するには、その仕事に対する役割の明確化、貢献度などを定義してあげる必要があります。そして、承認する仕組みである面談などの場を設定する必要があります。まさしく組織の仕組みや風土を作っていくということですね。

当社が目指しているのは、第5段階「自己実現」できる会社です。

自己実現とは、先に書いたように「理想の自分になりたい」という欲求です。「理想の自分」って何でしょうか?金持ちになりたい、社会的地位が欲しい、幸せな家庭を築いているといった、朧気ながらの理想はあるかと思いますが、普段生活していてなかなか「3年後にこうなっていたい」と明確な理想を考える人は少ないのではないでしょうか。

職員の自己実現を目指して柔軟に対応していく事が、「働きやすさ」、「働き甲斐」につながると思います。

そんなことで、私の思いを書いてしまいました。次回は当社今期最大の取組を紹介します。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。


2025年6月6日金曜日

たからの歩み(資金繰りの難関)④

 こんにちは。

平成18年にたからデイサービスを開設して、その後、単位を増やしたり、店舗を増やしたりして比較的順調に業績を伸ばしてきました。

今回のテーマは「資金繰り」です。

これは社長(又はそれに近い立場の方)、経理担当者にしかわからない苦悩かと思います。

業績は、右肩上がりで、売上、経常利益も上がってきたとき、ふと会社のお金がないことに気が付きました。

これって意外ではないでしょうか?利益は出ているのですよ。でもお金は減っていくのです。

顧問税理士先生に、なぜ利益が出ているのに手元資金が増えないの?と何度も疑問をぶつけましたが、「売上が伸びているときはお金が無くなるのですよ、経費として出す方が早いですから」といった理由で、頭では分かったつもりになるのに、どうも腑に落ちない日々が続いていました。本当にお金がどんどんなくなるのです。

今は説明できますよ。

介護保険サービスは、2か月後に入金になります。例えば、4月にサービスを提供した分は、6月23日に入金されるわけです。

そこで簡単に纏めるとこうなります。

     4月       5月       6月     7月     8月 

売上  100万円     150万円     180万円   200万円   200万円

経費  80万円        120万円        140万円   150万円   150万円

利益  20万円      30万円      40万円    50万円    50万円

入金                     100万円   150万円   180万円

資金  ▲80万円    ▲120万円    ▲40万円    ±0万円   +30万円


こんな感じになります。売上が増えると当然経費が増えます。人件費などの経費は当月支払うことになりますので、売上入金前に出金します。5か月間で利益は190万円出ているのに対し、資金は▲210万円となるわけです。

更に、多くの会社は借入があります。仮に300万円借り入れて会社を運営しているとしましょう。多いのは5年返済ですので、無金利だとしても月に5万円返済となります。

これを乗せるとこうなります。

     4月       5月       6月     7月     8月 

売上  100万円     150万円     180万円   200万円   200万円

経費  80万円        120万円        140万円   150万円   150万円

利益  20万円      30万円      40万円    50万円    50万円

入金                     100万円   150万円   180万円

借入資金 215万円         90万円          45万円     40万円   65万円


このように資金が増加してくるのは5が月後からということになります。それまでは、減少し続けるということです。上記例の場合だと、結構ギリギリですね。

実際には、こんな順調に、安定した利益を取れることは稀ですし、返戻や介護認定区分変更等で月遅れ請求になることも多々ありますので、だんだんと資金が足りなくなるといった現象が生じるわけです。更に更に、利益が出ると年度末に「税金」を支払わなければなりません。これは、結構バカになりません。手元資金が底をつき、支払いができなくなると「倒産」になります。

利益は出ているのにお金がない、所謂「黒字倒産」がこれで説明できます。

少し専門用語になりますが、「キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)」という指標があります。これは簡単に言うと仕入れ代金を支払ってから、売上が入金されるまでの期間です。これが短ければ短いほど、資金繰りは楽になるということになります。

例えば、居酒屋さんであれば、当日仕入れた食材を当日売上げ、しかも現金でお支払いいただければキャッシュコンバージョンは1日ですね。一方介護の場合は、大体55日くらいです。

どちらの方が資金繰りが大変かは、一目瞭然ですね。

また、何か始めようとすると、「投資」を行う必要があります。その投資をしたら「回収」を考えなければなりません。そこで大事なことが、しっかりとした「計画」を立てることです。是非、地に足の着いた計画を立てることをお勧めします。

よろしければ、私がお手伝いしますよ(^_-)-☆

今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。

2025年6月2日月曜日

たからの歩み(目標統一の難関)③

前回投稿からだいぶ間が空いてしまいました。
実は、私事、扁桃腺を切除する手術を受けまして、なかなか体調が安定しなかった今日この頃です。 

さて、続きまして、たからの歩み第三弾です。

規則を作り、ルールが統一されたところで、経営者として何を聞かれても答えられる自信がつきました。次にすることは、働く方の目標を統一することです。

今回は、目標統一の難関を書いていきます。

前回、組織を作る上で重要なことは、目標を統一することであると書きました。とはいえ、毎日仕事をしていて、「今日からわが社は、日本一を目指していきます」のような抽象的な目標では、「へえ、そうなんだ、すごいね」といった感想で終わってしまいます。

働く方にとって、当社に所属しているということは、皆何らかの目的があるはずです。
この頃当社は、社員5名、パート職員10名で運営しておりました。

大前提として、仕事ですので、働いてサラリーを得ることは重要です。その他の目的は皆それぞれです。しかし、働きやすい、働き甲斐がある環境というのは、皆が求めるものですよね。その目的をかなえるために、私は、目標を統一することを考えました。

ここで初めて「経営計画書」を作りました。

普段経営をしていると、外部環境、内部環境の変化などにもまれて組織としての目標を見失いがちになります。
いわば、会社という小さなヨットで太平洋をさまよっているようなものです。従業員さんがオールを持ち、同じ方向に漕がなければ当然、ヨットはふらふらしてしまいます。やがて、従業員さんは気が付きます。このヨットは危ない、または、私はこのヨットには合わない。今のうちに違うヨットに乗り換えようと。

そうさせないように目標を統一し、皆が目指す方向性を決めるものが、経営計画書です。

経営計画書で最初に着手することが、「経営理念」を明文化することです。経営理念は、その組織の存在意義です。経営理念を作成した後は経営ビジョンを作成しました。ビジョンは、将来的に到達したい目標です。

そこから、社員の行動指針を作成して、第一弾経営計画書を作成したのです。
当社の場合、この一連の計画書作成を当時の社員5名全員で行いました。

これがとても良かった。

当時、「こんな感じで経営計画書を作成しますので、毎週水曜日に1時間残業して皆で考えましょう」と呼びかけました。最初は、あまり意見も出ず、「何やんの?早く帰りたいんだけど」といった雰囲気でしたが、初日の後半には、「普段自分たちがどのように利用者さんに接しているか」「この会社はこうなるべきなのではないか」といった前向きな発言が聞けるようになり、1時間があっという間に過ぎるという会議となったのです。

第2回、第3回と回数を重ねるうちに、従業員さんたちの業務に対する意識が変わっていきました。まさに自分たちが行っている介護が肯定されていくわけですし、他の従業員さんがどのような思いで日々業務に当たっているかが、明確になっていくわけですから。

約3か月を経て、経営計画書(A3用紙に一枚)が出来上がったのでした。

皆で考えた目標ですから、これは無視はできません。また、現場で判断に困ることがあれば、この経営計画書の内容に則り、判断ができます。更に、採用時に当社についての説明がしやすくなり、採用基準が明確になりました。

因みに現在の当社の経営理念は、以下になります。

利用者様の「自分らしく生きる」を支える活動を行う

「ありがとう」があふれる職場を提供する

何より、経営者として、方向性が明確になるとともに、一人歩きしない感覚が生まれます。

これは、本当にお勧めです。経営者だけではなく、是非、従業員さんも一緒に経営計画書を作成してみてください。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

2025年5月12日月曜日

たからの歩み(規則作成の難関)②

 さて、前回に引き続きの投稿です。

「働く人の幸せ」って何だろう?
そこから考えることにしました。

まずは、あいまいなルールをきちんとすることが必要です。

この時代、会社のルールについて、色々な質問を従業員さんから受けていました。「有給ってないのですか?」「この日休みたいのだけど・・・」などなど。これらの質問について、正直言って場当たり的な回答をしていました。

しかしながら、集団で何か行うものにはルールが必要です。そう、就業規則です。

ここはかなり苦労しました。改めて考えると、労働基準法もろくに知らなかったもので、勉強することから始め、他社の就業規則を参考にしながら、約半年かけて作成しました。もちろん当社独自の物です。最低限守らなければならない法律的な部分と、世間一般的に当たり前といわれる部分、様々なことを考慮しました。それにしてもルールを作るというのは、難しいなと改めて感じましたね。

まず、就業時間と休みについて。

従業員さんの意見を聞いてみると、やはり皆さん休みを大事にしたいということが良くわかりました。この頃から従業員さんのライフワークバランスを考えましたね。休むために働くのか、働くために休むのか、それは人それぞれですね。因みに大手企業を参考にするとろくなことになりません。例えば、慶弔休暇。法律的には必要ありません。しかしながら世間一般的には頂ける会社さんが多いですね。そんな感じで、実用に即して決めていったわけです。

そして有給休暇です。経営者として、有給休暇を与えることは守らなければならない義務です。しかし、それに対する私の認識が欠けていました。「うちのような小さな会社で、全員に法定通りの有給を与えていたら潰れてしまうわ」と考えていたのです。ダメです。コンプライアンスを重んじなければ健全な経営はできませんし、そこを従業員さんから突っ込まれると、言い返せません。かくして、有給休暇を法定通り与えられる仕組みを考えたのです。総じて経営者が精神的に成長することで、義務を果たせるようになります。もちろん勇気がいることですが、ここは大事なところです。

次に給与です。

この時、色々な求人誌を見て、世間一般的な介護職の給与を参考にしました。そうして、賃金テーブルを作成したのです。賃金テーブルに準じて給与を決定する。ある程度基準が必要ですので、わかりやすく保有資格で給与を分け、昇給する仕組みを作りました。また、残業についても法律に則り規定しました。

更に服務規程です。

結構大事でした。「・・・はしてはならない」、「責任の所在」など。
ここを明確に規定することで、「秩序の形成」ができたのです。できていない方には、就業規則のここに書いてあるので、厳守してくださいと注意ができる様になります。

細かいところを上げるとキリがありませんが、大きく見てそんなルールを作成しました。

ここで、うれしい誤算がありました。介護の処遇改善加算と雇用系の助成金です。当時の処遇改善加算は、あまり大きな額ではなかったと記憶しておりますが、従業員さん手取りを少しでも増やしてもらえるならと、獲得に取り組みました。内容を確認すると、ほとんど就業規則に書いてあることで網羅できていたのです。ですので、仕組みを作ることに関しては、あまり苦労をしませんでした。そして、結構就業規則を把握、遵守していると雇用系の助成金をいただけるケースがあります。自分自身で助成金の説明文を読み、入金されたときは、本当にうれしかったのを覚えています。

規則作成の難関は、規則を運用してからも続きます。細かいところの配慮がなされてなかったりするわけです。その都度、改正を重ねてきました。今でも、そのルールを運用しています。浸透すると「規則があって本当に良かった」と思えるようになります。それが、集団で何かを行う基礎となるのですね。

次回は、たからの歩みの中で、次なる難関について書いていきます。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。