2025年4月18日金曜日

私のリーダー

 リーダーと聞けば、どなたを想像しますか?

私は野球をやっていましたので、中学時代の一つ上のキャプテンを想像します。
(残念ながら総理大臣ではありませんでした)
そのキャプテンは、それは自分にも他人にも厳しい方でした。

何しろそのキャプテンが一番野球が好きで「勝ちたい」と思っている方でした。

メンバーは、そのキャプテンの言うことは絶対で、誰も文句を言ったりはしませんでした。その方が惜しまれながらも引退され、私がキャプテンを引き継いだわけですが、当然、全キャプテンのようになろうとしました。

結果、なれませんでした。

自分がどんなキャプテンになりたいかもわからず、更にメンバーから嫌われたくない!勝ちたいけど、結果的に勝てず、チームも纏まらない。私のやり方は、「エラーをするな!」「何やってんだ!」とメンバーに対して文句ばかりを言っていました。そんな日々を過ごし、中坊時代は本当に悩んでいました。風呂で悩みの迷宮に入り、なかなか出てこず、親父から「いつまで入ってんだ!」と怒られるほどでした。

悩んだ末に私は真理に達することができました。

「がんじがらめではダメだ。ある程度は許す度量が必要だ」と。

その後、高校の軟式野球部でもキャプテンに任命され、そのキャプテン時代は、「ある程度許す」ことをしてみると、あまり嫌われず、チームも纏まりました。

その後も、リーダーに近い部分を任されることが多かったのですが、私のリーダーとしての気質は、中学時代に悩んでいたところから形成された気がします。

今でも私はリーダーの本質は二つに分類されると考えています。

①カリスマ性のあるリーダー
②普通のリーダー

カリスマ性のあるリーダーは、中学時代の1つ上のキャプテンがそうだったのでしょう。
これは、その人が持つ本質ですので、あとから身に付けることはなかなか難しいと思います。

殆どの方は普通のリーダーです。私もそうです。

中学時代、なぜ、私が前キャプテンのようになれなかったのか?それは、この本質が違ったからです。

普通のリーダーは、どのようにすれば皆からの信頼を得られるのか?

①メンバーよりも知識を持つ
②チームの目的・目標を統一する 又は 統一するための努力をする
③メンバーをより深く知り個性を認める

以上の3つだと思います。
リーダーはメンバーよりも知識を持たなければなりません。専門知識を持つという意味ではなく、浅くとも物事を着地させることができる知識です。つまり、何か問題が起こった際の対処法がわかるまでの知識です。それが結果的に専門知識であればそれを持つ必要があります。ですのでリーダーには絶対的に勉強が必要です。

チームの目的・目標を統一することに関しては、そのチームの存在意義、そのチームがどうなることが理想かを掲げ、明文化することが大切です。これがあるのとないのとでは纏まり方に大きな差が出ます。結局のところ、メンバーはそのチームに在籍している理由が必ずあります。その理由は実は様々かもしれません。野球でいうと「私は勝ちを優先したい」方と、「私は負けてもいいからワイワイ野球を楽しみたい」と思っている方がいたとしたら、意見が衝突することは必至です。

ですので、そのチームがどこを目指すのかを決めて、メンバーに周知することが必要になります。

最後にメンバーを良く知り、個性を認めるという部分、リーダー最大の力の見せ場であると考えます。これができる度量があるかどうか、でそのリーダーの善し悪しが決まります。人はみな育ってきた環境、考え方、仕草など全て違います。「世界に一つだけの花」ですね。その個性を否定するリーダーの下に誰がついて行きたいのでしょうか?

個性を認めることで時にはリーダーである自分の感性を否定されるかもしれません。とても勇気がいることであると思います。リーダーの度量が大きくなればチームが大きくなるのです。

更にその個性を尊重し、十分な能力を発揮させる、これが私の目指す優れた「普通のリーダー」像です。

多分、私の高校キャプテン時代は無意識に上記3つを実践していたのですね。「チームを纏める為に学習し、そのチームで勝ちたいと目標を定め、メンバーの行動をある程度許し、個性を尊重する」

中学時代、悩んでよかったです。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。

2025年4月16日水曜日

介護事業を立ち上げたい方へ(マインド編)

 さて、今回は介護事業を立ち上げたい方へのマインド編です。

前回、手順編を示しましたが、マインド編はどのような気持ちで始めるべきかを書いていきます。

なんの仕事でもそうですが、事業とは平たく言うと「社会への貢献」で成り立っていると考えます。つまり、社会から「ありがとう」といわれて対価を得ることが正しい形です。私は「ありがとう」がない仕事は「詐欺」だと思っています。

そんなことで、まずは、どのように社会に貢献していきたいのかを考えるべきです。
つまり、「経営理念」を考えましょう。経営理念とは、簡単に言うとその事業が何のためにあるのか、存在価値を示すものです。また、事業を進めていく上で、これからの方向性を示す大変重要なものになります。

あと、最初に是非明文化してほしいものが、もう一つ。なぜその事業を始めようと思ったかの「動機」です。

□儲かりそう
□お年寄りが好き
□高齢化社会への貢献
□その他

私は、動機は何でも良いと思います。全て正解ですので。

ただ、今後色々な状況の変化を迎えた際に、この理念と動機というものは、原点に立ち返るきっかけとなります。この理念と動機の明文化があれば、辛い状況も乗り切れます。ですので、最初に定めてほしいのです。



その後の手順を示すと上記の図のようになります。しかしながら、次に経営目標を定めて戦略を考えて・・・などと難しいことはその後で良いと思います。

勿論、ここまで考えて事業を開始する方が良いですが、なかなかここまで考えられませんよね。ただ、理念、動機だけは明文化しておくようにお願いしたいです。

さて、理念と動機を明文化したら、ざっくりとで良いので、計画を立てましょう。

①誰と事業を行うか?
②売上、利益計画
③スケジュール
④資金準備

特にどのくらい利益を得られるかは、超重要です。介護の方に利益というと嫌われる傾向にありますが、ここははっきりといいます。
利益を出すことは、事業を行っていく上での「ルール」です。利益のない理念は「戯れ言」です(慈善事業を除きます)。なぜなら、資金繰りで借りたお金を返すのも、職員に賞与を支払うのも、全て利益から算出するからです。ということで、いくら儲かるか・・・は大切ですよ。

ここまで計画を立てられれば、前回示した「手順編」に従って実施しましょう。

以上、介護事業を立ち上げたい方へ(マインド編)でした。

書ききれていない部分もありますが、介護事業を立ち上げたい方、または他の業種を立ち上げたい方に参考になれば幸いです。

最後までお読みいただきありがとうございました。

2025年4月15日火曜日

介護事業を立ち上げたい方へ(手順編)

 当社が介護事業を始めたのは、平成17年でした。

この時、接骨院をやっていて、医療保険だけではなく、介護保険にも携わりたいと考えて短時間デイサービスを立ち上げたのが始まりです。
介護事業所を立ち上げるには、まず、法人化することが必須となります。個人事業ではできません。この法人化は、司法書士さんに手伝ってもらう事も良しですが、私としては、自分で行うことをお勧めします。・・・できます。以下に株式会社設立の流れを記します。

1,会社の概要を決める
2,法人用の実印を作成する
3,定款を作成し、認証を受ける
4,出資金を払い込む
5,登記申請書類を作成し、法務局で申請する

こんな流れになります。それぞれインターネットを駆使してわからないところは法務局に電話して聴くなどで、できますよ。

次に、国の社会保障費を報酬として得るわけですので、許認可が必要になります。許認可を得る先は、行う介護事業の種類によって異なります。

例えば、ケアマネ事業所は現在は自治体(区や市)、訪問看護は都道府県等になります。
因みにデイサービスに関しては、行う規模(定員)によって自治体なのか都道府県なのかが異なります。
また、どの事業にも設備基準、人員基準があります。それぞれの基準を満たさなければ許認可はおりません。立ち上げたい事業が決定したら、事前に必ず行政に相談に行ってください。この相談をしないで、例えば工事をしてしまった後、「これでは許可できない」といわれてしまうと悲しい形になります。

更に、実際に図面などで書類基準をパスした後は、行政より立ち入り調査が入ります。

仮に、3月に思い立って物件を調達し、工事をする前に行政に相談に行く。4月に書類をそろえてまずは窓口で認可してもらう。5月に立ち入り検査。6月から開業といった形になりますので、スケジュールを組む際、大体3か月はかかるということですね。

開業してから(開業する前からも)は、何といっても集客しなければなりません。
まずは、地域の方やケアマネ、包括などに開業を知らせ、認知してもらう必要があります。この認知の方法は様々です。ここが明暗を分けます。うまく認知してもらえて、その事業所に利用者を預けても大丈夫だと判断されれば、仕事が来ます。一度認知されて、「ここは使える」となればどんどん仕事が来ます。

私の感覚では、仕事がどしどし来るようになるのは1カ月から2カ月後でしょうか。

また、資金繰りも大変重要です。介護保険の場合、実際に報酬を得られるのは、約2か月後になりますので、その分の資金調達も必要です。

例えば、訪問介護を行いたい場合、3名で始めるとして、月に家賃10万円、人件費20万円×3人=60万円、光熱費などその他諸々かかる費用を計算して仮に月に固定費が約100万円かかるとしましょう。初月、2か月目はなかなか売り上げが思うようにいきませんので、最低でも3か月分は用意しておくことをお勧めします。

物件調達の際、家賃は敷金礼金、不動産手数料を合わせて大体6か月分くらいを見ておいた方が良いので、60万円くらいかかります。そうなると100万円×3か月+60万円で360万円くらいの資金は最初に用意しておかないと早速行き詰ります。

この資金調達は、自己資金(資本金)、借り入れの方法があります。自己資金は、生活資金は残して計算した方が良いです。現在は1円からでも株式会社を設立できますが、こう考えると最低でも100万円は必要ではないでしょうか。借り入れは、日本政策公庫の新規開業・スタートアップ支援資金があります。

新規開業・スタートアップ支援資金|日本政策金融公庫

また、自治体などで創業支援をしているところも多いですので、使える制度は全て使い、少しでも有利に進めていきましょう。

ということで、晴れて会社の代表取締役となり、介護事業が立ち上がります。

このように手順で示すと長い道のりに感じるかと思いますが、それぞれが夢中に進みますので、かえって短い期間だったと感じると思いますよ。

以上が、「立ち上げる手順」を示したものになります。

次回、手順編ではなく、マインド編を書きます。
最後までお読み下さり、ありがとうございました。

2025年4月14日月曜日

中小企業診断士を取得してから

 前回に引き続き、投稿です。

というわけで、約6年間かけて診断士試験に合格したわけですが、これで何が変わるのか。
そこはかなり想像を膨らませて、楽しみしかなかったです。

しかしながら、現実としては、基礎知識をつけたにすぎず。
実践でどのように使っていくかをこれからそれから模索し始めました。

とりあえず、診断士名簿に登録されるには、「実務補習」というカリキュラムをこなす必要があります。名簿に登録されて初めて、「中小企業診断士」として名乗れるわけです。実務補習とは、5人くらいが1チームになり、実際の企業に出向き、社長さんからヒアリングを行い、チームで課題や解決策を話し合い、社長に提案するというもの。

要するに総合診断を行います。

私としては、初めての経験だらけで、チームの方は大企業に勤めるエリートの方々ばかり。
サラリーマンをしていたのもかなり昔で、劣等感しかありませんでした。
しかし、常に私を支えていたのは、経営者の経験があり、社長の気持ちが良くわかること。

合計3社様の診断、提言をさせていただきました。様々な業種に携わることができて、大変勉強になりました。また、人事担当、総合提言担当、財務担当と苦手な担当もこなしました。全ての案件で社長様に喜んでもらえたのではないかと思います。

実務補習を終え、ようやく診断士に登録されたのが令和6年5月。

さあここから診断士生活のスタートです。
早速、色々やりたいと思いましたが、やはり実践知識が足りない。

そこで、実務補習でお世話になった、先生が城東支部だったこともあり、縁を感じて城東支部に所属しました。その中の「城東スキルアップ」を受講しました。所謂プロコン塾(プロのコンサルタントになるための塾)であり、初めて知ることだらけで、とても楽しく学べました。特に、診断士の同期と知り合えたことが、最大の財産となります。

スキルアップの内容としては、「話し方」から始まり、ドラッガーやコトラー等の名著を読み、要約して発表するという経営理論の基本の取得ともいえる勉強、更に具体的な製造業の診断や財務諸表の読み解き方等、多岐にわたります。

中でも「ローカルベンチマーク」を利用した自社の強みを浮き彫りにする方法に、大変感銘を受けました。また、別回にて本ツールを利用した研修などを書きたいと思います。

とにもかくにも、約8カ月かけて、城東スキルアップを卒業しました。
学び続けることの楽しさ、大切さが身に沁みましたね。

また、自身が今後どのように本業である経営と診断士に向き合っていくかを考える時間になりました。特に介護経営については非常に特殊で複雑です。介護経営に悩む経営者さんのよりどころになれると嬉しいなと感じています。

そんなことで、本回を締めたいと思います。

次回より、私が経営者として、診断士としての考え方や経験談を書いていきたいと思います。