こんにちは。
平成18年にたからデイサービスを開設して、その後、単位を増やしたり、店舗を増やしたりして比較的順調に業績を伸ばしてきました。
今回のテーマは「資金繰り」です。
これは社長(又はそれに近い立場の方)、経理担当者にしかわからない苦悩かと思います。
業績は、右肩上がりで、売上、経常利益も上がってきたとき、ふと会社のお金がないことに気が付きました。
これって意外ではないでしょうか?利益は出ているのですよ。でもお金は減っていくのです。
顧問税理士先生に、なぜ利益が出ているのに手元資金が増えないの?と何度も疑問をぶつけましたが、「売上が伸びているときはお金が無くなるのですよ、経費として出す方が早いですから」といった理由で、頭では分かったつもりになるのに、どうも腑に落ちない日々が続いていました。本当にお金がどんどんなくなるのです。
今は説明できますよ。
介護保険サービスは、2か月後に入金になります。例えば、4月にサービスを提供した分は、6月23日に入金されるわけです。
そこで簡単に纏めるとこうなります。
4月 5月 6月 7月 8月
売上 100万円 150万円 180万円 200万円 200万円
経費 80万円 120万円 140万円 150万円 150万円
利益 20万円 30万円 40万円 50万円 50万円
入金 100万円 150万円 180万円
資金 ▲80万円 ▲120万円 ▲40万円 ±0万円 +30万円
こんな感じになります。売上が増えると当然経費が増えます。人件費などの経費は当月支払うことになりますので、売上入金前に出金します。5か月間で利益は190万円出ているのに対し、資金は▲210万円となるわけです。
更に、多くの会社は借入があります。仮に300万円借り入れて会社を運営しているとしましょう。多いのは5年返済ですので、無金利だとしても月に5万円返済となります。
これを乗せるとこうなります。
4月 5月 6月 7月 8月
売上 100万円 150万円 180万円 200万円 200万円
経費 80万円 120万円 140万円 150万円 150万円
利益 20万円 30万円 40万円 50万円 50万円
入金 100万円 150万円 180万円
借入資金 215万円 90万円 45万円 40万円 65万円
このように資金が増加してくるのは5が月後からということになります。それまでは、減少し続けるということです。上記例の場合だと、結構ギリギリですね。
実際には、こんな順調に、安定した利益を取れることは稀ですし、返戻や介護認定区分変更等で月遅れ請求になることも多々ありますので、だんだんと資金が足りなくなるといった現象が生じるわけです。更に更に、利益が出ると年度末に「税金」を支払わなければなりません。これは、結構バカになりません。手元資金が底をつき、支払いができなくなると「倒産」になります。
利益は出ているのにお金がない、所謂「黒字倒産」がこれで説明できます。
少し専門用語になりますが、「キャッシュコンバージョンサイクル(CCC)」という指標があります。これは簡単に言うと仕入れ代金を支払ってから、売上が入金されるまでの期間です。これが短ければ短いほど、資金繰りは楽になるということになります。
例えば、居酒屋さんであれば、当日仕入れた食材を当日売上げ、しかも現金でお支払いいただければキャッシュコンバージョンは1日ですね。一方介護の場合は、大体55日くらいです。
どちらの方が資金繰りが大変かは、一目瞭然ですね。
また、何か始めようとすると、「投資」を行う必要があります。その投資をしたら「回収」を考えなければなりません。そこで大事なことが、しっかりとした「計画」を立てることです。是非、地に足の着いた計画を立てることをお勧めします。
よろしければ、私がお手伝いしますよ(^_-)-☆
今回も、最後までお読みいただき、ありがとうございました。