さて、前回に引き続きの投稿です。
「働く人の幸せ」って何だろう?
そこから考えることにしました。
まずは、あいまいなルールをきちんとすることが必要です。
この時代、会社のルールについて、色々な質問を従業員さんから受けていました。「有給ってないのですか?」「この日休みたいのだけど・・・」などなど。これらの質問について、正直言って場当たり的な回答をしていました。
しかしながら、集団で何か行うものにはルールが必要です。そう、就業規則です。
ここはかなり苦労しました。改めて考えると、労働基準法もろくに知らなかったもので、勉強することから始め、他社の就業規則を参考にしながら、約半年かけて作成しました。もちろん当社独自の物です。最低限守らなければならない法律的な部分と、世間一般的に当たり前といわれる部分、様々なことを考慮しました。それにしてもルールを作るというのは、難しいなと改めて感じましたね。
まず、就業時間と休みについて。
従業員さんの意見を聞いてみると、やはり皆さん休みを大事にしたいということが良くわかりました。この頃から従業員さんのライフワークバランスを考えましたね。休むために働くのか、働くために休むのか、それは人それぞれですね。因みに大手企業を参考にするとろくなことになりません。例えば、慶弔休暇。法律的には必要ありません。しかしながら世間一般的には頂ける会社さんが多いですね。そんな感じで、実用に即して決めていったわけです。
そして有給休暇です。経営者として、有給休暇を与えることは守らなければならない義務です。しかし、それに対する私の認識が欠けていました。「うちのような小さな会社で、全員に法定通りの有給を与えていたら潰れてしまうわ」と考えていたのです。ダメです。コンプライアンスを重んじなければ健全な経営はできませんし、そこを従業員さんから突っ込まれると、言い返せません。かくして、有給休暇を法定通り与えられる仕組みを考えたのです。総じて経営者が精神的に成長することで、義務を果たせるようになります。もちろん勇気がいることですが、ここは大事なところです。
次に給与です。
この時、色々な求人誌を見て、世間一般的な介護職の給与を参考にしました。そうして、賃金テーブルを作成したのです。賃金テーブルに準じて給与を決定する。ある程度基準が必要ですので、わかりやすく保有資格で給与を分け、昇給する仕組みを作りました。また、残業についても法律に則り規定しました。
更に服務規程です。
結構大事でした。「・・・はしてはならない」、「責任の所在」など。
ここを明確に規定することで、「秩序の形成」ができたのです。できていない方には、就業規則のここに書いてあるので、厳守してくださいと注意ができる様になります。
細かいところを上げるとキリがありませんが、大きく見てそんなルールを作成しました。
ここで、うれしい誤算がありました。介護の処遇改善加算と雇用系の助成金です。当時の処遇改善加算は、あまり大きな額ではなかったと記憶しておりますが、従業員さん手取りを少しでも増やしてもらえるならと、獲得に取り組みました。内容を確認すると、ほとんど就業規則に書いてあることで網羅できていたのです。ですので、仕組みを作ることに関しては、あまり苦労をしませんでした。そして、結構就業規則を把握、遵守していると雇用系の助成金をいただけるケースがあります。自分自身で助成金の説明文を読み、入金されたときは、本当にうれしかったのを覚えています。
規則作成の難関は、規則を運用してからも続きます。細かいところの配慮がなされてなかったりするわけです。その都度、改正を重ねてきました。今でも、そのルールを運用しています。浸透すると「規則があって本当に良かった」と思えるようになります。それが、集団で何かを行う基礎となるのですね。
次回は、たからの歩みの中で、次なる難関について書いていきます。今回も最後までお読みいただきありがとうございました。